特定技能 【建設】

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特定技能【建設】について解説いたします。

【建設分野における外国人材の受入れ状況】                                                   今現在、日本国内における建設業の就業者数は日本人・外国人を合わせて約329万人です。
現時点すでに約2万人の人手不足が、2025年には20万人不足すると言われています。
2017年の建設業の有効求人倍率は4.13倍になり、業界全体として人員確保は早急の課題となっております。

【特定活動、技能実習、特定技能の比較】                                                                                                                                                      建設業では2019年3月まで、外国人建設就労者受入事業の「特定活動」と技能実習生の「技能実習」という二つの在留資格がありました。そして、この4月から新たに「特定技能」という在留資格か創設されました。                                            この3つの在留資格の関係は下の図を参照にして下さい。

【特定技能「建設業」の条件】
建設業については、東京オリンピックの開催等で需要の拡大が見込まれる一方、求人に対する応募は少なく、人材不足の傾向が特に強いと言われています。
そこで、建設業は特定技能ビザの14の対象職種の一つになっています。
条件は以下の通りです。
1.技能水準及び評価方法等
(1)「建設分野特定技能1号評価試験(仮称)」又は「技能検定3級」
 a.技能水準及び評価方法(特定技能1号)
(技能水準)
当該試験は、図面を読み取り、指導者の指示・監督を受けながら、適切かつ安に作業を行うための技能や安全に対する理解力等を有する者であることを認定するものであり、この試験の合格者は、一定の専門性・技能を用いて即戦力として稼働するために必要な知識や経験を有するものと認める。
(評価方法)
「建設分野特定技能1号評価試験(仮称)」
試験言語:日本語
実施主体:国土交通省が試験機関として定める建設業者団体
実施方法:学科試験及び実技試験
実施回数:年1回から2回程度(国外での実施に加え、必要に応じて国内でも実施)
開始時期:平成31年度内予定
「技能検定3級」
試験言語:日本語
実施主体:都道府県(一部事務は都道府県職業能力開発協会)
実施方法:学科試験及び実技試験
実施回数:各都道府県職業能力開発協会における試験の実施回数(国内)
b. 試験の適正な実施を担保する方法
① 建設分野特定技能1号評価試験(仮称)については、試験の実施に当たり、試験問題の厳重な管理、当該試験内容に係る実務経験を有する試験監督員の配置、顔写真付きの公的な身分証明書による当日の本人確認や持ち物検査の実施等、替え玉受験等の不正受験を防止する措置を講じる。
② 技能検定3級については、各試験実施主体において講じられている顔写真付きの公的な身分証明書による当日の本人確認の実施等の措置に従う。
(2)「建設分野特定技能2号評価試験(仮称)」又は「技能検定1級」(運用方針3(2)の試験区分:運用方針別表2a.試験区分(3(2)ア関係)のとおり)
c.技能水準及び評価方法(特定技能2号)
(技能水準)
当該試験への合格及び建設現場において複数の建設技能者を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者(以下「班長」という。)としての実務経験(必要な年数については、試験区分ごとに国土交通省が別途定める。)を要件とする。当該試験は、上級の技能労働者が通常有すべき技能を有する者であることを認定するものである。また、班長としての実務経験を確認することで、その者が建設現場において複数の技能者を指導しながら作業に従事し、工程を管理する能力も有すると認められる。
従って、これらの要件を満たす者は、法第2条の3第1項に規定する特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する基本方針(以下「基本方針」という。)に定める熟練した技能を有するものと認める。
(評価方法)
「建設分野特定技能2号評価試験(仮称)」
試験言語:日本語
実施主体:国土交通省が試験機関として定める建設業者団体
実施方法:学科試験及び実技試験
実施回数:年1回から2回程度(国内)
開始時期:平成33年度予定
「技能検定1級」
試験言語:日本語
実施主体:都道府県(一部事務は都道府県職業能力開発協会)
実施方法:学科試験及び実技試験
実施回数:各都道府県職業能力開発協会における試験の実施回数(国内)
d. 試験の適正な実施を担保する方法
① 建設分野特定技能2号評価試験(仮称)については、試験の実施に当たり、試験問題の厳重な管理、当該試験内容に係る実務経験を有する試験監督員の配置、顔写真付きの公的な身分証明書による当日の本人確認や持ち物検査の実施等、替え玉受験等の不正受験を防止する措置を講じる。
② 技能検定1級については、各試験実施主体において講じられている顔写真付きの公的な身分証明書による当日の本人確認の実施等の措置に従う。
(3)国内試験の対象者
国内で試験を実施する場合、①退学・除籍処分となった留学生、②失踪した技能実習生、③在留資格「特定活動(難民認定申請)」により在留する者、④在留資格「技能実習」による実習中の者については、その在留資格の性格上、当該試験の受験資格を認めない。
2.日本語能力水準及び評価方法等(特定技能1号)
(1)「日本語能力判定テスト(仮称)」
a.日本語能力水準及び評価方法
(日本語能力水準)
当該試験は、本制度での受入れに必要となる基本的な日本語能力水準を判定するために国際交流基金が開発・実施する試験であるところ、これに合格した者については、ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の能力を有するものと認められることから、基本的な日本語能力水準を有するものと評価する。
(評価方法)
実施主体:独立行政法人国際交流基金
実施方法:コンピューター・ベースド・テスティング(CBT)方式
実施回数:年おおむね6回程度、国外実施を予定
開始時期:平成31年秋以降に活用予定
b.試験の適正な実施を担保する方法
同試験は、試験実施に必要な設備を備え、国外複数か国で大規模試験の実施実
績があり、かつ、替え玉受験等の不正受験を防止する措置を講じることができる
試験実施団体に業務委託することで適正な実施が担保される。
(2)「日本語能力試験(N4以上)」
c.日本語能力水準及び評価方法
(日本語能力水準)
当該試験に合格した者については、「基本的な日本語を理解することができる」と認定された者であることから、ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の能力を有するものと認められ、本制度での受入れに必要となる基本的な日本語能力水準を有するものと評価する。
(評価方法)
実施主体:独立行政法人国際交流基金及び日本国際教育支援協会
実施方法:マークシート方式
実施回数:国内外で実施。国外では80か国・地域・239都市で年おおむね1回か
ら2回実施
d.試験の適正な実施を担保する方法
同試験は30年以上の実績があり、また、国外実施における現地の協力団体は各国の大学や日本語教師会といった信頼性の高い団体であり、主催団体が提供する試験実施マニュアルに即して、試験問題の厳重な管理、試験監督員の研修・配置、当日の本人確認や持ち物検査の実施等、不正受験を防止する措置が適切に講じられている。
(3)業務上必要な日本語能力水準
上記1(1)の試験に合格した者については、特定技能1号に係る業務上必要な日本語能力水準を満たすものと評価する。

【建設業者に特別に課す条件】
建設業者には、入管当局による条件の他に国土交通省が特別に条件が課す条件があります。特定技能外国人の受入れに係る新法人への加入や建設キャリアアップシステムへの登録の義務化等、国土交通大臣による建設特定技能受入計画の認定などです。
新たに特定技能雇用契約を結ぶ場合には必ず国土交通大臣の認定が必要です。
1.国土交通大臣による建設特定技能受入計画の認定


建設事業者が特定技能1号の外国人を受け入れる場合には、入管当局に対する申請に先立って、必ず国土交通大臣による建設特定技能受入計画の認定を受けなければなりません。 これは、低賃金や社会保険未加入といった処遇で労働者を雇用する等の劣悪な労働環境が確認される企業の建設市場への参入を認めず公正な競争環境を維持することや他産業・他国と比して有為な外国人材を確保することなどを目的とされたものです。
1号特定技能外国人の受入れ機関(建設事業者)には、認定計画を適正に実施していることについて国土交通省又は適正就労監理機関の確認を受けること及び国土交通省が行うその他の調査・指導に協力することが求められ、その調査・ 指導に対して協力を行わない場合には,基準に適合せず、特定技能外国人の受入れはできません。

【対象となる仕事と職種】
建設業種の対象職種は2019年度当初11職種でスタートし、2020年度には20職種が追加される予定です。
なぜ、順次職種が追加されていくかという理由は、建設業界では、職種ごとに業界団体(専門工事業団体)が存在しているところ、それらの専門工事業団体の意向等を踏まえながら、受入れ職種を決定しているため、海外の試験実施等の準備の見通しが立った職種から受入れを開始することとしています。
したがって、制度スタート当初に準備が整っていない職種は 2019年度から受入れを開始する対象にはならないと説明されています。業界として、外国人材受入れの準備が整えば、受入れ対象職種に追加される見込みです。

建設業における特定技能1号の業務区分について
①型枠施工 ②左官 ③コンクリート圧送 ④トンネル推進工 ⑤建設機械施工 ⑥土工 ⑦屋根ふき ⑧電気通信 ⑨鉄筋施工 ⑩鉄筋継手 ⑪内装仕上げ ⑫表装
に区分されています。

参照:特定技能「建設」の分野別運用方針(別紙6)

参照:特定技能「建設」分野別運用要領

参照:建設分野における外国人材の受け入れ

【特定技能「建設業」における外国人の雇用形態】

直接雇用に限る。

特定技能の対象となる14業種のうち、2号での受け入れを予定しているのは、建設業と造船・舶用工業。2021年から試験が開始されると言われています。比較的高い技能レベルを要求される2号は、1号と異なり、資格の無制限の更新や家族の呼び寄せが可能です。このため、移民政策に反対する保守派を中心に慎重論が強く、厳格な運用を求める声が多いことも確かです。特定技能「建設業」は1号から2号への変更が可能な業種ですので、今後の運用実態をしっかりとチェックしていく必要があります。

なかなか分かりづらい「特定技能」の制度ですが、ご質問等はお問合せフォームよりお願い致します。

 

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