技能実習法「事業協同組合設立から監理団体への流れ」

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事業協同組合設立から監理団体への流れ

事業協同組合とは、中小企業者がお互いに助け合いの精神、いわゆる相互扶助の精神に基づき4人以上が集まり、共同で主に共同経済事業を行うことにより、組合員の事業上の諸問題の解決と経営の近代化・安定合理化さらに経済的地位の改善向上を図ろうとする組合組織です。

事業協同組合の設立

まず、監理団体の基礎となるべき法人である事業協同組合を設立します。事業協同組合は、4人以上の発起人が必要になります。
発起人は、法人でも個人事業主でも可能です。しかし、大きい会社(資本金3億円を終える製造業者など)は発起人になれないので注意が必要です。
出資金に関してはいくらからという規定はありませんが、事業計画を作り、計画の事業を進めるのに必要な資金を用意する必要があります。
組合設立に関しては、同業者同士の組合、異業種業者が集まっての組合と様々な形態があり、それぞれ申請行政庁が異なったりします。まずは、各都道府県にある中小企業団体中央会に相談しながら手続きを進めることが必須です。

2017年10月以前は、事業協同組合設立後、1~2年間程度組合としての運営実績がないと監理団体になれませんでした。しかし、現在は設立後すぐに監理団体の許可を取得できるようになりました。
ただ、事業協同組合設立と同時に監理団体の許可を取得する場合は、事業協同組合の設立の事業計画や組織作りが非常に大変です。やはり立ち上げたばかりの組合は実績がないため、安定した事業が行えるかを事業計画書で説明し納得してもらえるレベルにするのが大変なためです。
その為、時間的に余裕がある場合は、事業協同組合を設立後1~2年程度は組合事業を行い、実績を作ってから監理組合の申請をした方が良いと言われています。
しかし、そもそも協同組合の設立目的が「技能実習生」を受け入れるための監理団体の設立であるのであれば、事業協同組合設立と同時に監理団体となる形で設立準備を進めるべきでしょう。

設立認可申請書類一覧

中小企業等協同組合法に基づく主な手続き

中小企業等協同組合法(以下、「法」)に基づく行政庁への主な手続きは次のとおりです。 組合に関する手続き先の行政庁は、組合員の資格事業によって異なりますが、原則として、その事業を行う地区が都道 府県の区域を超えないものであれば、その主たる事務所の所在地を管轄する都道府県知事(財務大臣及び国土交通大 臣の所管に属する事業を除く)、その他のものにあっては、その組合員の資格として定款に定められている事業の所管大臣となっています。
具体的な手続きについては、中小企業団体中央会において詳しく指導していますの御相談下さい。

中小企業団体中央会による組合の設立・運営支援

組合の設立(法第27条の2)

組合を設立しようとする場合には、発起人4人以上(協同組合連合会、商工組合連合会は2組合以上)が設立に必要な申 請書2通に、それぞれ次の書類(施行規則第57条に規定)を添えて、認可を受ける行政庁に申請しなければなりません。

  1. 申請書(中小企業等協同組合法施行規則様式第6(WORD:22KB)
  2. 定款
  3. 事業計画書
  4. 役員の氏名及び住所を記載した書面
  5. 設立趣意書
  6. 設立同意者がすべて組合員たる資格を有する者であることを発起人が制約した書面
  7. 設立同意者がそれぞれ引き受けようとする出資口数を記載した書面
  8. 収支予算書
  9. 創立総会の議事録又はその謄本
    ※上記のほか、審査するうえで必要な参考資料の添付を求めることがあります。

認可されるまでの期間ですが、おおよそ3~6か月の時間がかかります。

認可後の登記申請

無事に事業協同組合申請が所管官庁から認可を取得できましたら、法務局に登記申請を行います。

登記申請の流れ

法務局に登記申請を行う流れ自体は、一般の法人と同様です。

  1. 定款
  2. 創立総会議事録
  3. 理事会議事録
  4. 代表理事の就任承諾書
  5. 出資の総口数を証する書面
  6. 出資の払い込みを証する書面
  7. 出資の目的たる財産の給付があったことを証する書面
  8. 認可書
    を用意することにより、登記申請が可能です。

監理団体の許可

監理団体の許可申請は、外国人技能実習機構にします。
提出する書類は、外国人技能実習機構のホームページに様式があり、ダウンロードすることが可能です。
監理団体の許可申請に向けた準備として、外国の送り出し機関を探したり、日本の受け入れ企業(組合員)を探したり、内部体制を整えたりします。
そして、準備が整いましたら、申請書類を作成し、外国人技能実習機構に郵送又は持参の方法にて申請を行います。
提出先は組合の所在地に関係なく、外国人技能実習機構本部事務所(東京都港区)に行います。
申請手数料1件ごとに2500円、調査手数料1件ごとに4万7,500円、登録免許税1件ごとに1万5,000円が必要です。
申請書類に不備等があれば補正などが求められるので、都度対応をします。
その後、許可がされると、許可証が交付され、いよいよ技能実習事業の開始です。
その後は、外国人技能実習機構に対し、技能実習計画の認定申請をし、ビザ取得等の手続きをする流れとなります。

参照:外国人技能実習機構HP

まとめ

監理団体を立ち上げるためには、まず事業協同組合を設立するのが一般だと思います。しかし、事業協同組合の設立、更に監理団体の設立となると、以上の説明のように手続がかなり煩雑で難易度は高いです。事業主の方々が力を合わせて取り組めば、このような難易度の高い許認可も何とか取得出来ると思いますが、その間の本業の損失はかなりのものだと思います。我々行政書士のような専門家を頼っていただければ、必ず、お役に立てると思います。是非一度ご相談ください。

報酬額

事業協同組合設立:35万~
監理団体設立:20万~

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