在留資格「日本人の配偶者等」

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在留資格「日本人の配偶者等」とは

配偶者ビザとは

日本人の配偶者若しくは特別養子又は日本人の子として出生した者が該当します。

「日本人の配偶者等」のビザ(在留資格)を取得すると、日本国内での活動に制約がありません。パートもアルバイトも、転職も自由にできます。もちろん、そのためのビザ(在留資格)の変更なども不要です。

在留資格の期限

6か月、1年、3年、5年

配偶者ビザの注意点

民法752条『夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない。』…このように夫婦の同居義務を明確にしており、違反するとその理由によっては不法行為となります。つまり正当な理由(DV等)がないのに別居したり、家庭を省みないような活動をすれば、「日本人の配偶者等」の在留資格該当性がないと判断されます。 これらは入管法上違法ではありませんが、在留期間更新において不許可となることがあります。また、離婚や死別により日本人の配偶者の身分を有する者としての活動を継続して6月以上行わないで在留していると在留資格取消の対象となることも考えられますので注意してください。

配偶者ビザ(結婚ビザ)の条件

日本人と結婚をすれば「日本人の配偶者等」の在留資格を必ずもらえるわけではありません。配偶者ビザは、就労関係のビザや留学ビザなどに比べていろいろとメリットが多いため、偽装結婚などのケースがあとを絶ちません。
「日本人の配偶者等」申請の約7割が偽装結婚だとも言われ、入国管理局の審査も非常に厳しくなっています。その結果、本物の結婚であっても手続きや書類に不備があれば、偽装結婚の疑いをかけられ、不許可となってしまいます。
そのようなケースではなく、真実の婚姻関係であることを証明するためには、次のような条件をクリアしなければなりません。

「日本人の配偶者」

国際結婚により日本人と外国人が婚姻すると、外国人は「日本人の配偶者等」の在留資格に変更することができます。変更後は就労制限がなくなります。ただ必ずしも日本人と婚姻したからといって「日本人の配偶者等」の在留資格に変更しなければならないというわけではなく、婚姻前の就労資格等の在留資格で在留に支障がなければ、変更しなくても問題ありません。

「日本人の配偶者」とは

現に婚姻中の者で、相手方の日本人が死亡したり、離婚した場合は日本人の配偶者ではありません。 「日本人の配偶者等」に該当するには、単に入籍し法律上の婚姻関係があるというだけでは足らず、同居・相互扶助の関係にある夫婦共同生活をしているという婚姻の実態があり、婚姻関係が真実でなければ、在留資格該当性は認められません。(最高裁判決及び入管運用) ただし、別居状態にあるような場合でも、それのみによって婚姻実態がないとは判断されず、別居に至った経緯や生活費の負担状態、婚姻関係の修復の可能性などを総合的に判断されます。

在留資格認定証明書交付申請による外国人配偶者の呼び寄せ

本国にいる外国人配偶者を呼び寄せる場合は、
1.日本人配偶者が入国管理局に「在留資格認定証明書」を申請・取得し、
2.その証明書を外国人配偶者に送付して、
3.外国人配偶者が居住地を管轄する大使館(領事館)で必要な書類と一緒に提出して査証(ビザ)を取得します。

「短期滞在」で入国後、「日本人の配偶者等」の在留資格へ変更する

外国人が本国にいる場合には、「短期滞在」で来日し日本で婚姻後、「日本人の配偶者等」の在留資格に変更することもできます。 この場合は、2人の出会いから婚姻に至るプロセスの立証が重要になります。

日本在留の外国人と日本で結婚した場合
  1. 入国管理局へその外国人が現在保有している在留資格から、「日本人の配偶者等」への在留資格変更許可申請を行ないます。
  2. 再婚などの場合で既に「日本人の配偶者等」を所持していれば、次回の更新時に新しい婚姻の内容でビザ更新を行うことになります。
  3. この場合にはビザの更新となりますが、実質的な審査内容は新規に取得するときと同様の審査がなされます。
  4. なお、外国人がオーバーステイの場合は、在留特別許可を求めることになります。
「日本人の配偶者等」の在留資格取消について

「家族滞在」、「特定活動」、「日本人の配偶者等」、「永住者の配偶者等」の在留資格について、配偶者として在留することを許可された者は、離婚、死別したときは、14日以内に入国管理局(法務大臣)へ届出が義務づけられる事になりました。 さらに、「日本人の配偶者等」の在留資格をもつて在留する配偶者が、正当な理由がないのに配偶者の身分を有する者としての活動を継続して6月以上行わないで在留していると、在留資格取消事由に該当します。

「配偶者の身分を有する者としての活動」とは・・・日本人の配偶者が死亡したり、離婚した場合には、配偶者の身分を有する者としての活動に該当しないことになります。離婚や死別したからといって直ちに在留資格を失うわけではなく、在留期限までは在留できますが、14日以内の死別の報告義務と6月以上活動を行わない場合は在留資格取消事由に該当します。 また、婚姻関係が破綻し、回復する見込みがなく、既に婚姻関係が実態を失って形骸化しているような場合も「日本人の配偶者等」に該当しないと思われますので、他の在留資格への変更を検討することになります。

「正当な理由」とは・・・配偶者に対するDV(夫婦間暴力)や子への虐待などにより別居を余儀なくされている場合や単身赴任・出向、親族の介護等による別居などは、「正当な理由」に該当すると思われます。

配偶者からのDVを受けた被害者からの在留期間更新・在留資格変更申請については許可される場合がある他、DVを原因として不法残留等している場合には在留特別許可を付与される場合があります。

救済措置(入管法第22条の5・・・在留資格取消事由に該当する日本人の配偶者、永住者の配偶者、特別永住者の配偶者について、在留資格取消をしようとする場合には、他の在留資格への変更(定住者等)又は永住許可の申請の機会を与えるよう配慮しなければならないとされています。

日本人の特別養子

「養子縁組」には、「普通養子縁組」と「特別養子縁組」があり、「特別養子」とは、民法の特別養子縁組制度において家庭裁判所の審判により養子を成立させることをいいます。 外国人の子が家庭裁判所の審判により日本人の「特別養子」となった場合は、「日本人の配偶者等」の在留資格で呼び寄せたり、この在留資格へ変更することができます。 普通養子は「日本人の配偶者等」には該当しません。

民法の特別養子縁組制度とは
6歳未満の子を、養親となる者の請求に基づき家庭裁判所の審判により養子縁組するもので、親が虐待する、育てられないなどの事情がある子を、家庭裁判所の監督のもと審判により実親やその血族との親族関係を絶って、養父母との親子関係を成立させる特別な養子縁組制度です。 よって、特別養子縁組は、子の福祉上特に必要と認められなければ成立しません。

外国人の子を特別養子とする場合の要件・手続
養子縁組の実質的要件は、縁組当時の養親となる者の本国の法律を適用します。 ただし、養子となる者の本国の法律に、養子の保護に関する規定(保護要件)を設けている場合には、その規定も適用されます。 養子となる者の本国の法律に、養子となる者や第3者(親族会・配偶者・戸主など)の承諾・同意又は公的機関(家庭裁判所など)の許可その他(行政委員会など)の処分があることなど、保護要件が養子縁組の成立要件としている場合は、その要件も満たさなければなりません。
外国人の子を特別養子とする場合には、養子は日本人ではないので、戸籍が編成されることはなく、養親の戸籍にその旨記載されるにとどまります。

日本の特別養子縁組の要件
日本人が外国人の子と特別養子縁組する場合は、日本の法律が適用され、以下の要件が必要となります。
・養親は配偶者のある者で、夫婦共に養親となる必要があります。
・夫婦は20歳以上でなければならず、一方は25歳以上でなければならない。
・特別養子縁組の請求を家庭裁判所にする時、養子となる者は6歳以下でなければならない。ただし、6歳になる前から養親になろうとする者が養育していた場合は、8歳になる前であれば特別養子縁組を請求できる。
・実父母の同意がなければならない。 ただし、実父母が障がいや意識不明により意思表示できない場合や虐待・遺棄など子の福祉上やむを得ないときは同意は不要。
・養親のもとで養育する方が、子の福祉にかなうような事情があること
以上のような要件に基づき家庭裁判所が判断しますが、実親との関係を絶つことや養親と養子の離縁は特別な事情がないと認められない特別養子縁組は、慎重な手続が必要であることから、試験的に養親となる者に養子となる子を引き取らせ、6ヶ月以上の期間の監護状況を検討して判断されます。

特別養子を呼び寄せる場合
外国にいる特別養子を呼び寄せる場合は、特別養子縁組届出受理証明書又は日本の家庭裁判所発行の養子縁組に関わる審判書謄本及び確定証明書を添付して「日本人の配偶者等」の在留資格認定証明書交付申請をして呼び寄せます。

特別養子となった者の在留資格を変更する場合
特別養子縁組届出受理証明書又は日本の家庭裁判所発行の養子縁組に関わる審判書謄本及び確定証明書を添付して「日本人の配偶者等」の在留資格変更許可申請をします。

日本人の子として出生した者

「日本人の配偶者等」の在留資格該当性の「日本人の子として出生した者」とは・・・日本人の嫡出子(婚姻している夫婦の子)、認知された非嫡出子(婚姻していない夫婦の子)で実子が該当し、養子は含まれません。 出生時に父又は母のいずれかが日本国籍を有しているか、出生前に死亡した父が日本国籍を有していなければなりません。

日本人の子として外国で出生、出生後父又は母が日本国籍を離脱した場合・・・外国で出生しても「日本人の子として出生した者」であれば「日本人の配偶者等」に該当します。 出生後に父又は母が日本国籍を離脱しても、出生の時日本人であったので「日本人の配偶者等」の在留資格が該当します。 また、日本人父又は母が死亡していても、「日本人の子として出生した者」であることに変わりありません。 逆に出生後父又は母が日本国籍を取得しても、「日本人の子として出生した者」にはなりません。

「日本人の配偶者等」の配偶者・・・日本人の子として出生した者で「日本人の配偶者等」で在留する者の配偶者は、要件を満たせば「定住者」の在留資格が付与されます。

日本人の子として出生した者の日本国籍の取得

日本国籍の再取得
通常、出生時に婚姻している父又は母のいずれかが日本国籍の場合には、出生した子は日本国籍を取得するので在留資格は不要ですが、父と母のどちらの国籍も取得したり、外国で出生した場合には2重国籍となり、出生時に日本の国籍留保の手続をしておかないと日本国籍を失います。 国籍留保の届をしないで日本国籍を失った場合には、20歳未満で日本に住所があるときは、法務大臣に届けることにより日本国籍を再取得することができます。

認知された子の日本国籍取得
子の出生時に婚姻していない日本人父と外国人母の子は、日本国籍を取得しませんが(日本人母と外国人父の場合は日本国籍を取得します。)、子が20歳未満で、子の出生時、日本人の父又は母が認知したり、認知した父又は母が現に日本国民又は死亡時日本国民であれば、法務大臣に届出ることにより日本国籍を取得できます。

身元保証人の経済力

身元保証人の経済力は「婚姻の継続性」の観点から必要とされています。
配偶者ビザ申請の際、日本人である配偶者は身元保証人として身元保証書を提出しますが、この身元保証人の収入が課税証明書等の公的な書類によってチェックされます。
従って、夫婦ともに無職であったり所得が少なかったりすると配偶者ビザの取得はかなり難しくなります。
(結婚当事者の夫婦が無職でも、実家の経済的援助で生活できると主張する方もいますが、このような理由での配偶者ビザ取得は不許可になる可能性が高いです)
日本で生活するからと言って必ずしも日本人が外国人を扶養する必要はありません。外国人が働いて日本人を扶養するのでも全く問題ありません。
日本人同士の結婚でも夫が働いて妻が専業主婦というのは一般的なのですから、例えば外国人夫が働いて日本人妻が無職でも(外国人夫に十分な収入があるのであれば)問題ありません。

配偶者ビザの申請の必要書類と任意提出書類

在留資格認定証明書交付申請(日本人の配偶者)

1 在留資格認定証明書交付申請書 1通

2 写真(縦4cm×横3cm) 1葉
※ 申請前3か月以内に正面から撮影された無帽,無背景で鮮明なもの。
※ 写真の裏面に申請人の氏名を記載し,申請書の写真欄に貼付して下さい。

3 配偶者(日本人)の方の戸籍謄本(全部事項証明書) 1通
※ 申請人との婚姻事実の記載があるもの。婚姻事実の記載がない場合には,戸籍謄本に加え婚姻届出受理証明書の提出をしていただきます。
※ 発行日から3か月以内のものを提出して下さい。

4 申請人の国籍国(外国)の機関から発行された結婚証明書 1通
※ 申請人が韓国籍等で戸籍謄本が発行される場合には,お二方の婚姻が記載された外国機関発行の戸籍謄本の提出でも差し支えありません。

5 配偶者(日本人)の住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの) 各1通
※ 1月1日現在お住まいの市区町村の区役所・市役所・役場から発行されます。
※ 1年間の総所得及び納税状況(税金を納めているかどうか)の両方が記載されている証明書であれば,いずれか一方でかまいません。
※ 入国後間もない場合や転居等により,お住まいの区役所・市役所・役場から発行されない場合は,最寄りの地方出入国在留管理官署にお問い合わせ下さい。
※ 発行日から3か月以内のものを提出して下さい。

6 配偶者(日本人)の身元保証書[PDF] 1通
※ 身元保証人には,日本に居住する配偶者(日本人)になっていただきます。

7 配偶者(日本人)の世帯全員の記載のある住民票の写し 1通
※ 個人番号(マイナンバー)については省略し,他の事項については省略のないものとするようお願いします。
※ 発行日から3か月以内のものを提出して下さい。

8 質問書[PDF] 1通
※ 平成29年6月6日に様式を改訂しています。新様式による提出をお願いします。
各国語版はこちら
9 スナップ写真(夫婦で写っており,容姿がはっきり確認できるもの)2~3葉

10 392円切手(簡易書留用)を貼付した返信用封筒
※ 返信用封筒には,あらかじめ宛先を記載して下さい。

11 その他
(1) 身元保証人の印鑑
※ 上記6には,押印していただく欄がありますので,印鑑をお持ち下さい(提出前に押印していただいた場合は結構です。)。
(2) 身分を証する文書等 提示
※ 上記(2)については,申請人本人以外の方(申請が提出できる方については,こちらのページを参照して下さい。)が申請を提出する場合において,申請を提出できる方かどうかを確認させていただくために必要となるものです。

※ このほか,申請いただいた後に,当局における審査の過程において,上記以外の資料を求める場合もありますので,あらかじめ,ご承知おき願います。

在留資格認定証明書交付申請(日本人の実子・特別養子)

1 在留資格認定証明書交付申請書 1通

2 写真(縦4cm×横3cm) 1葉
※ 申請前3か月以内に正面から撮影された無帽,無背景で鮮明なもの。
※ 写真の裏面に申請人の氏名を記載し,申請書の写真欄に貼付して下さい。

3 申請人の親の戸籍謄本又は除籍謄本(全部事項証明書) 1通
※ 発行日から3か月以内のものを提出して下さい。

4 日本で出生した場合は次のいずれかの文書 1通
(1) 出生届受理証明書
(2) 認知届受理証明書
※ 発行日から3か月以内のものを提出して下さい。
※ 上記(2)については、日本の役所に届出をしている場合にのみ提出していただきます。

5 海外で出生した場合は次のいずれかの文書 1通
(1) 出生国の機関から発行された出生証明書
(2) 出生国の機関から発行された申請人の認知に係る証明書(認知に係る証明書がある方のみ)

6 特別養子の場合は次のいずれかの文書 1通
(1) 特別養子縁組届出受理証明書
(2) 日本の家庭裁判所発行の養子縁組に係る審判書謄本及び確定証明書

7 日本で申請人を扶養する方(複数の方が扶養する場合は収入の多い方)の住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの) 各1通
※ 1月1日現在お住まいの市区町村の区役所・市役所・役場から発行されます。
※ 1年間の総所得及び納税状況(税金を納めているかどうか)の両方が記載されている証明書であれば,いずれか一方でかまいません。
※ 入国後間もない場合や転居等により,お住まいの区役所・市役所・役場から発行されない場合は,最寄りの地方出入国在留管理官署にお問い合わせ下さい。
※ 発行日から3か月以内のものを提出して下さい。

8 身元保証書[PDF] 1通
※ 身元保証人には,日本に居住する日本人(子の親又は養親)等になっていただきます。

9 392円切手(簡易書留用)を貼付した返信用封筒
※ 返信用封筒には,あらかじめ宛先を記載して下さい。

10 その他
(1) 身元保証人の印鑑
※ 上記8には,押印していただく欄がありますので,印鑑をお持ち下さい(提出前に押印していただいた場合は結構です。)。
(2) 身分を証する文書等 提示
※ 上記(2)については,申請人本人以外の方(申請が提出できる方については,こちらのページを参照して下さい。)が申請を提出する場合において,申請を提出できる方かどうかを確認させていただくために必要となるものです。

※ このほか,申請いただいた後に,当局における審査の過程において,上記以外の資料を求める場合もありますので,あらかじめ,ご承知おき願います。

偽装結婚の疑念をもたれる場合

婚姻が真実のものであったとしても次のような場合は、偽装結婚を疑われます。
①夫婦の年齢差が大きい
②出会いのきっかけが結婚紹介所等による場合
③出会い~結婚までが短期間の場合
④どちらか又は両者に外国人との離婚歴がある場合
⑤外国人配偶者が「興行」の在留資格や風俗関係の職業の場合
⑥同居する住居が夫婦共同生活をするには狭い場合
⑦婚姻が成立していながら、外国人配偶者が本国に居て、長い期間離れて暮らしていた

上記に列挙している事由に該当していると、最初の振り分け作業の段階で「慎重審査」に回ってしまう可能性が高くなりますので、出会い~結婚に至るまでの詳細な交際経緯や結婚生活に関して住居や職業、預貯金などの経済的基盤、将来の生活設計や家族計画などを丁寧に書面に表現し、婚姻の信憑性・継続性・安定性を強く立証するようにしなければなりません。厳しい審査を突破できるだけの入念な準備が必要です。

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