特定技能 【造船・舶用工業】

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特定技能【造船・舶用工業】

【造船・舶用工業分野の人手不足の状況】
現在、日本での造船・舶用工業の就業者数は日本人・外国人を合わせて約80万人です。
現時点で6,400人の人手不足が生じていると推計されています。
2017年の造船・舶用工業の有効求人倍率は4倍と高く、求人をしても労働力が集まらない状況です。
あわせて日本の造船・舶用工業の目標は「2025年の世界の新造船建造量のシェア3割を獲得」であり、達成に向けて必要となる労働力から2万2,000人の人手不足が発生します。

深刻化する造船・船用工業分野の人手不足に対応するため、専門性・技能を生かした現場に即戦力として就労する外国人を受け入れることで、この分野の存続・発展を図り、日本の経済・社会基盤の持続可能性を維持することが挙げられています。造船・舶用工業というのは、裾野が広い労働集約型産業でその殆どが地方圏に存在しています。
特に瀬戸内や九州地方では、造船・舶用工業が主要産業として経済、雇用において重要な役割を担っていて多くの人の生活を支えています。
しかし、そんな重要産業であるのに少子高齢化や生産年齢人口の減少、さらに若者の都市部への流出から人材確保に苦労している現状があります。

【造船・舶用工業分野への人材確保の必要性】
造船・舶用工業分野は、四方を海に囲まれた日本にとって物資の海上輸送という面や地域の経済・雇用にも欠かせない非常に重要な産業です。
そんな造船・舶用工業分野の持続的な発展を図るためには、一定の専門性・技能を有する外国人を受け入れていくことが、当分野の基盤を維持し、今後も発展させていくために必要不可欠であるといえます。

【受入れ見込数】
2019年度から5年間の受入れ見込数は、最大1万3,000人であり、受入れの上限とするとされています。
向こう5年間で2万2,000人の人手不足が生ずるといわれる「造船・舶用工業」分野において、今回の受入れでは実際の労働効率化なども考慮して5年間で最大1万3,000人を上限としました。

【見込み数を超えそうな場合】
もしこの分野への受け入れ見込み数を超える状況となった場合は、入管法の規定により在留資格認定証明書の交付の停止措置が取られます。
この規定には停止措置がとられても、再び人材確保の必要性が生じた場合には、受け入れ再開の措置がとられることも定められています。

【技能水準及び評価方法等】                                                          造船・船用工業分野において特定技能として受け入れられる外国人には、技能試験と日本語試験に合格することが求められます。
※2号特定技能外国人については、日本語試験の代わりに実務経験の要件が必要。
なお、特定技能1号については、建設分野に関する第2号技能実習を修了した者も必要な技能水準と日本語能力水準を満たしているものとして取り扱うとされています。                                                                 【造船・舶用工業分野特定技能1号外国人】                                                   技能水準(試験区分)                                                             1 造船・舶用工業分野特定技能1号試験(仮称)(溶接)
2 造船・舶用工業分野特定技能1号試験(仮称)(塗装)又は技能検定3級(塗装)
3 造船・舶用工業分野特定技能1号試験(仮称)(鉄工)又は技能検定3級(鉄工)
4 造船・舶用工業分野特定技能1号試験(仮称)(仕上げ)又は技能検定3級(仕上げ)
5 造船・舶用工業分野特定技能1号試験(仮称)(機械加工)又は技能検定3級(機械加工)
6 造船・舶用工業分野特定技能1号試験(仮称)(電気機器組立て)又は技能検定3級(電気機器組立て)

日本語能力水準 「日本語能力判定テスト(仮称)」又は「日本語能力試験(N4以上)」

試験言語:日本語
実施主体:一般財団法人日本海事協会
実施方法:学科試験及び実技試験
実施回数:随時(国外及び国内で実施)
開始時期:2019年度内予定
日本で試験を実施する場合、退学や除籍になった留学生、失踪した技能実習生、難民認定申請中の外国人、技能実習中の技能実習生は試験を受けられません。

【造船・舶用工業分野2号特定技能外国人】
   技能水準(試験区分及び実務経験)
試験区分
「造船・舶用工業分野特定技能2号試験(仮称)(溶接)
実務経験
複数の作業員を指揮・命令・管理する監督者としての実務経験を要件とする。

試験言語:日本語
実施主体:一般財団法人日本海事協会
実施方法:実技試験
実施回数:随時(国内)
開始時期:平成33 年度内予定

【造船・舶用工業分野特定技能外国人が従事する業務】
特定技能外国人が従事する業務区分は、以下のとおりとする。                                           造船・舶用工業分野1号特定技能外国人
1 造船・舶用工業分野特定技能1号試験(仮称)(溶接)
溶接(手溶接、半自動溶接)
2 造船・舶用工業分野特定技能1号試験(仮称)(塗装)又は技能検定3級(塗装)
塗装(金属塗装作業、噴霧塗装作業)
3 造船・舶用工業分野特定技能1号試験(仮称)(鉄工)又は技能検定3級(鉄工)
鉄工(構造物鉄工作業)
4 造船・舶用工業分野特定技能1号試験(仮称)(仕上げ)又は技能検定3級(仕上げ)
仕上げ(治工具仕上げ作業、金型仕上げ作業、機械組立仕上げ作業)
5 造船・舶用工業分野特定技能1号試験(仮称)(機械加工)又は技能検定3級(機械加工)
機械加工(普通旋盤作業、数値制御旋盤作業、フライス盤作業、マシニングセンタ作業)
6 造船・舶用工業分野特定技能1号試験(仮称)(電気機器組立て)又は技能検定3級(電気機器組立て)
電気機器組立て(回転電機組立て作業、変圧器組立て作業、配電盤・制御盤組立て作業、開閉制御器具組立て作業、回転電機巻線製作作業)

造船・舶用工業分野2号特定技能外国人
溶接(手溶接、半自動溶接)

【造船・舶用工業分野特定技能所属機関に対して特に課す条件】
① 特定技能所属機関は、国土交通省が設置する「造船・舶用工業分野特定技能協 議会(仮称)」(以下「協議会」という。)の構成員になること。
② 特定技能所属機関は、協議会に対し、必要な協力を行うこと。
③ 特定技能所属機関は、国土交通省又はその委託を受けた者が行う調査又は指導 に対し、必要な協力を行うこと。
④ 特定技能所属機関は、登録支援機関に1号特定技能外国人支援計画の実施を委 託するに当たっては、上記ア、イ及びウの条件を全て満たす登録支援機関に委託 すること。

【造船・舶用工業分野特定技能外国人の雇用形態】
・原則直接雇用に限る。

特定技能「造船・舶用工業」においても、まだスタートしたばかりの制度ですので、慎重に運用、チェックが必要です。

お問い合わせは、こちらよりお願い致します。

参照:造船・舶用工業分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針

参照:特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領

参照:検討の背景と概要(国土交通省)

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