特定技能【漁業】

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特定技能【漁業】

特定産業分野における人材の不足の状況

(1)特定技能外国人受入れの趣旨・目的

漁業分野において深刻化する人手不足に対応するため、専門性・技能を生かした 業務に即戦力として従事する外国人を受け入れることで、本分野の存続・発展を図 り、もって我が国の経済・社会基盤の持続可能性を維持する。

(2)生産性向上や国内人材確保のための取組等

漁業分野では、生産性の向上や国内人材の確保の取組として、適切な資源管理措 置の下で漁船の高性能化・大型化、作業の自動化・協業化、情報通信技術(ICT) の活用や新規就業者の確保・育成に取り組んでいる。

(生産性向上のための取組)

農林水産省では、補助事業等により業界の取組を支援するとともに、生産性向上 のための取組として、適切な資源管理措置の下で、①新たな揚網システムやフィッ シュポンプの導入等生産性の高い漁船の導入、②海洋観測ブイや衛星情報の活用に よる海洋環境の迅速な把握、③AIを活用した漁場形成予測による漁場探査の効率 化等、最先端技術の開発、実装、④「浜」単位での先進的な取組事例の全国普及、 ⑤自動給餌機や自動カキ剥き機の導入等による作業の効率化等を推進し、省力化に よる生産性の向上に取り組んでいるところ、漁業者1人当たりの生産量が、25.1 ト ン(平成 23 年)から 27.2 トン(平成 28 年)へと増加している。

(国内人材確保のための取組)

また、国内人材の確保に関しても、沿岸漁業や養殖業を中心に女性・高齢者等の多様な国内人材の活用が進むとともに、農林水産省では、補助事業等により、①漁 業就業相談会や漁業体験、②長期研修、③次世代人材投資、④経営技術向上支援等 の業界の取組を支援しているところであり、全体として就業者が減少する中にあっ て、毎年 2,000 人近い新規就業者を着実に確保するなどの成果を挙げている。

(3)受入れの必要性(人手不足の状況を判断するための客観的指標を含む。)

全国の半島地域や離島地域等津々浦々に 6,298(2013 年)の漁業集落が存在し、 生活の糧として漁業や養殖業が営まれているが、漁業分野における就業者は、平成 10 年に 27 万 7,000 人であったものが平成 29 年には 15 万 3,000 人とおおむね半減、雇 われ就業者も3年間で約1割減少しているほか、漁業分野の有効求人倍率は、漁船 員 2.52 倍(船員職業安定年報)、水産養殖作業員 2.08 倍(職業安定業務統計)とな っているなど、深刻な人手不足の状況にある。 漁業分野の雇われ就業者の約2割を占める 65 歳以上の熟練の高齢労働者が順次引 退していくことから、毎年 1,000 人の新規雇われ就業者を維持しても、今後も人手 不足の深刻化が見込まれるところ、生産性の向上及び国内人材の確保に向けた最大 限の努力を不断に行ったとしてもなお、人手不足の状況を直ちに改善することが困 難である。 このため、我が国の経済・社会基盤の持続可能性を阻害しないよう、在留資格「特 定技能」により外国人を受け入れることで、我が国漁業の存続・発展を図り、国民 のニーズに応じた水産物を安定的に供給する体制を確保するとともに、国民の将来 にわたって、漁業が持つ海洋環境の保全等の多面的な機能が発揮されるよう漁業が 健全に営まれることを確保することが必要不可欠である。

(4)受入れ見込数

漁業分野における向こう5年間の受入れ見込数は、最大 9,000 人であり、これを 向こう5年間の受入れの上限として運用する。 向こう5年間で2万人程度の人手不足が見込まれる中、今般の受入れは、毎年1 %程度(5年間で 4,000 人程度)の労働効率化及び追加的な国内人材の確保(5年 間で 7,000 人程度)を行ってもなお、不足すると見込まれる数を上限として受け入 れるものであり、過大な受入れ数とはなっていない。

特定産業分野において求められる人材の基準

漁業分野において特定技能1号の在留資格で受け入れる外国人は、以下に定める試 験に合格した者又は漁業分野の第2号技能実習を修了した者とする。

(1)技能水準(試験区分)

ア 「漁業技能測定試験(仮称)(漁業)」

1.技能水準及び評価方法等(特定技能1号)

(1)「漁業技能測定試験(仮称)(漁業)」(運用方針3(1)アの試験区分)

ア 技能水準及び評価方法

(技能水準)

当該試験は、漁業における一定程度の業務について、監督者の指示を理解し的 確に遂行できる能力又は自らの判断により遂行できる能力を測り、漁具の製作・ 補修、水産動植物の探索、漁具・漁労機械の操作、水産動植物の採捕、漁獲物の 処理・保蔵、安全衛生の確保等を行うことができるレベルであることを認定する ものであり、この試験の合格者は、運用方針5(1)アの業務区分において、一 定の専門性・技能を用いて即戦力として稼働するために必要な知識や経験を有す るものと認める。

(評価方法)

  • 試験言語:日本語(ひらがな、カタカナ又はふりがなを付した漢字)
  • 実施主体:平成 31 年度一般予算成立後に公募により選定した民間事業者
  • 実施方法:① 筆記試験(真偽式又は多肢選択式) ② 実技試験(写真又はイラスト等を用いて実務能力を測るもの) 注1)①、②とも、コンピューター・ベースド・テスティング(C BT)方式の採用可 注2)漁業に3年以上従事した経験を有する者は②を免除
  • 実施回数:年大3回程度、国外実施を予定。また、国内でも実施予定。
  • 開始時期:平成 31 年度内予定

イ 試験の適正な実施を担保する方法

同試験は、試験実施に必要な設備を確保し、国外で試験を実施する能力があり、 かつ、替え玉受験等の不正受験を防止する措置を講じることができる試験実施主 体に業務委託することで適正な実施を担保する。

イ 「漁業技能測定試験(仮称)(養殖業)」

(2)「漁業技能測定試験(仮称)(養殖業)」(運用方針3(1)イの試験区分)

ア 技能水準及び評価方法

(技能水準)

当該試験は、養殖業における一定程度の業務について、監督者の指示を理解し 的確に遂行できる能力又は自らの判断により遂行できる能力を測り、養殖資材の 製作・補修・管理、養殖水産動植物の育成管理、養殖水産動植物の収獲(穫)・処 理、安全衛生の確保等を行うことができるレベルであることを認定するものであ り、この試験の合格者は、運用方針5(1)イの業務区分において、一定の専門 性・技能を用いて即戦力として稼働するために必要な知識や経験を有するものと 認める。

(評価方法)

  • 試験言語:日本語(ひらがな、カタカナ又はふりがなを付した漢字)
  • 実施主体:平成 31 年度一般予算成立後に公募により選定した民間事業者
  • 実施方法:① 筆記試験(真偽式又は多肢選択式) ② 実技試験(写真又はイラスト等を用いて実務能力を測るもの) 注1)①、②とも、コンピューター・ベースド・テスティング(C BT)方式の採用可 注2)養殖業に3年以上従事した経験を有する者は②を免除
  • 実施回数:年大3回程度、国外実施を予定。また、国内でも実施予定。
  • 開始時期:平成 31 年度内予定

イ 試験の適正な実施を担保する方法 同試験は、試験実施に必要な設備を確保し、国外で試験を実施する能力があり、 かつ、替え玉受験等の不正受験を防止する措置を講じることができる試験実施主 体に業務委託することで適正な実施を担保する。

(3)国内試験の対象者

国内で試験を実施する場合、①退学・除籍処分となった留学生、②失踪した技能 実習生、③在留資格「特定活動(難民認定申請)」により在留する者、④在留資格「技 能実習」による実習中の者については、その在留資格の性格上、当該試験の受験資 格を認めない。


(2)日本語能力水準

「日本語能力判定テスト(仮称)」又は「日本語能力試験(N4以上)」

2.日本語能力水準及び評価方法等(特定技能1号)

(1)「日本語能力判定テスト(仮称)」

ア 日本語能力水準及び評価方法

(日本語能力水準)

当該試験は、本制度での受入れに必要となる基本的な日本語能力水準を判定す るために国際交流基金が開発・実施する試験であるところ、これに合格した者については、ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の能力を有するもの と認められることから、基本的な日本語能力水準を有するものと評価する。

(評価方法)

  • 実施主体:独立行政法人国際交流基金
  • 実施方法:コンピューター・ベースド・テスティング(CBT)方式
  • 実施回数:年おおむね6回程度、国外実施を予定
  • 開始時期:平成 31 年秋以降に活用予定

イ 試験の適正な実施を担保する方法 同試験は、試験実施に必要な設備を備え、国外複数か国で大規模試験の実施実 績があり、かつ、替え玉受験等の不正受験を防止する措置を講じることができる 試験実施団体に業務委託することで適正な実施が担保される。

(2)「日本語能力試験(N4以上)」

ア 日本語能力水準及び評価方法

(日本語能力水準)

当該試験に合格した者については、「基本的な日本語を理解することができる」 と認定された者であることから、ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程 度の能力を有するものと認められ、本制度での受入れに必要となる基本的な日本 語能力水準を有するものと評価する。

(評価方法)

  • 実施主体:独立行政法人国際交流基金及び日本国際教育支援協会
  • 実施方法:マークシート方式
  • 実施回数:国内外で実施。国外では 80 か国・地域・239 都市で年おおむね1回 から2回実施(平成 29 年度)

イ 試験の適正な実施を担保する方法 同試験は 30 年以上の実績があり、また、国外実施における現地の協力団体は各 国の大学や日本語教師会といった信頼性の高い団体であり、主催団体が提供する 試験実施マニュアルに即して、試験問題の厳重な管理、試験監督員の研修・配置、 当日の本人確認や持ち物検査の実施等、不正受験を防止する措置が適切に講じら れている。

(3)業務上必要な日本語能力水準

上記1(1)又は(2)の試験に合格した者については、業務上必要な日本語能 力水準を満たすものと評価する。

その他特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する重要事項

1号特定技能外国人が従事する業務

1号特定技能外国人が従事する業務区分は、上記の試験区分に対応し、それぞれ以下のとおりです。

ア 「漁業技能測定試験(仮称)(漁業)」の場合
漁業に関する漁具の製作・補修、水産動植物の探索、漁具・漁労機械の操作、水産動植物の採捕、漁獲物の処理・保蔵、安全衛生の確保等

イ「漁業技能測定試験(仮称)(養殖業)」の場合
養殖業に関する養殖資材の製作・補修・管理、養殖水産動植物の育成管理、養殖水産動植物の収獲(穫)・処理、安全衛生の確保等

あわせて、当該業務に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務(例:① 漁業に係る漁具の積込み・積下し、漁獲物の水揚げ、漁労機械の点検、船体の補修及 び自家原料を使用した製造・加工・出荷・販売等、②養殖業に係る梱包・出荷及び自 家原料を使用した製造・加工・出荷・販売等)に付随的に従事することは差し支えな い。 なお、漁業分野の対象は、以下の日本標準産業分類に該当する事業者又は当該分類 に関連する業務を行う事業者が行う業務とする。

  • 03 漁業(水産養殖業を除く)
  • 04 水産養殖業

特定技能所属機関(受入れ事業者)に対して課す条件

労働者派遣形態(船員派遣形態を含む。以下同じ。)の場合、特定技能所属機関となる労働者派遣事業者(船員派遣事業者を含む。以下同じ。)は、地方公共団体又は漁業協同組合、漁業生産組合若しくは漁業協同組合連合会その他漁業に関連する業務を行っている者が関与するものに限る。

  • 特定技能所属機関は、「漁業特定技能協議会(仮称)」(以下「協議会」という。) の構成員になること。
  • 特定技能所属機関は、協議会において協議が調った措置を講じること。
  • 特定技能所属機関及び派遣先事業者は、協議会及びその構成員に対し、必要な協力を行うこと。
  • 漁業分野の外国人を受け入れる特定技能所属機関が登録支援機関に支援計画の全部又は一部の実施を委託するに当たっては、漁業分野に固有の基準に適合している登録支援機関に限る。

特定技能外国人の雇用形態

ア 雇用形態

漁業分野の事業者を特定技能所属機関とする直接雇用形態及び労働者派遣事業 者(上記(2)アに定める者に限る。)を特定技能所属機関として外国人を漁業 分野の事業者に派遣する労働者派遣形態とする。

イ 労働者派遣形態により受け入れる必要性

漁業分野においては、同じ地域であっても、対象魚種や漁法等によって繁忙期・ 閑散期の時期が異なるとともに、漁業分野の事業者の多くが零細で半島地域や離島地域等に存在していること等の特性があり、地域内における業務の繁閑を踏ま えた労働力の融通、雇用・支援の一元化といった漁業現場のニーズに対応するた め、漁業分野の事業者による直接雇用形態に加えて、労働者派遣形態により1号 特定技能外国人を受け入れることが不可欠である。

参照:漁業分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針

参照:「漁業分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針」に係る運用要 領

参照:特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領 

 

 

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