在留資格【技能実習】③

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

在留資格【技能実習】③

監理団体とは

まず、受入れ企業が技能実習生を受け入れる方法は以下の2通りあります。

①直接、外国の送り出し機関と雇用契約を結び、技能実習生を受け入れる方法

②監理団体を通して技能実習生を受け入れる方法

初めて技能実習生を受け入れる場合、何もわからない場合であれば、②の監理団体を通して技能実習生を受け入れる方法を選ばれると思います。

監理団体の種類

1 監理団体とは
団体管理受入れ型では監理団体が、その責任と監理の下で技能実習生を受け入れ、技能実習を実施する各企業が技能実習を適正に行っているか管理・指導することが求められます。

2 監理団体の種類
・商工会議所または商工会
中小企業団体(事業協同組合)
・職業訓練法人
・農業協同組合、漁業協同組合
・公益社団法人、公益財団法人
・法務大臣が告示をもって定める監理団体

監理団体の区分

特定監理団体・・・技能実習生1号と2号を監理できます。
許可の有効期限は3年又は5年で、改善命令や業務停止命令を
受けなかった場合だけ許可の更新時に有効期限を5年で申請できます。

一般監理団体・・・技能実習1号・2号・3号を監理できます。
許可の有効期限は5年又は7年で、改善命令や業務停止命令を
受けなかった場合だけ許可の更新時に有効期限を7年で申請できます。

最初はどの団体も、特定監理団体からスタートします。実績を何年も積んでいく中で、優良基準を満たした団体だけが、一般監理団体として許可を申請することができます。

監理団体の設立

事業共同組合の設立

事業協同組合とは会社等が4社以上集まって、取引などの競争力を高め、互いの利益のために共同事業を行う「非営利」法人です。
技能実習生受け入れのために必要な監理団体許可は「非営利」法人しか受けることができません。
共同事業の内容として、例えば、ガソリンの共同購入を行ったり、文房具、工作機械の共同購入、それぞれの従業員に対する教育・セミナーや福利厚生等、自由に設定でき、その種類も多岐に及びます。
技能実習はこの共同事業の一つとして、「外国人技能実習生の受け入れ事業」といった形で行われます。
事業共同組合設立のために要する期間は、およそ4~6カ月です。

監理団体を設立するまでの流れ

事業協同組合の登記が済んだら、次に監理団体許可を取る必要があります。
監理団体とは、外国人技能実習生を受け入れる際、実習先(実習実施者)で適正に実習が行われているか監理する団体のことであり、事業協同組合が当該許可を得て監理団体となります。 監理団体許可を得るために要する期間は、およそ2~4カ月です。 許可申請は外国人技能実習機構へ提出します。
その際に、以下のような内容で、この団体はキチンと技能実習生を受け入れることが出来るのか、調査されます。

監理団体の許可基準を満たす
  • 営利を目的としない法人であること
  • 事業を適正に行う能力を持っていること
  • 監理事業を健全に遂行できる財産的基礎を持っていること
  • 個人情報を適正に管理するための措置を講じていること
  • 外部役員または外部監査の措置を実施していること
  • 基準を満たす外国の送出機関と、技能実習生の取次ぎについての契約を締結していること
  • 第3号技能実習を行う場合は、優良要件を満たしていること
  • 監理事業を適正に遂行できる能力を持っていること
許可の欠格事由に該当しない
  • 禁固以上の刑に処せられて、執行が終わってから5年が経過していない方
  • 禁固以上の刑の執行を受ける事がなくなってから5年が経過していない方
  • 技能実習法による処分等を受けて監理団体の許可を取り消されてから、5年が経過していない方
  • 出入国や労働に関する法律に関して不正や不当な行為をした方
  • 暴力団員だったり、暴力団員でなくなった日から5年が経過していなかったり、暴力団員等がその事業活動を支配していたり、業務に従事させていたりした場合
  • 成年被後見人や被保佐人や破産手続開始の決定を受けて、まだ復権していない方
  • 営業をしているのが未成年者だった場合の保護者が、成年被後見人だったり
  • 被保佐人だったり、破産手続開始の決定を受けて復権を得ていなかったり、反社会的勢力の組織に関与していた場合

提出必要書類
  • 監理事業計画書
  • 申請者の概要書
  • 登記事項証明書
  • 定款又は寄付行為の写し
  • 船員職業安定法第34条第1項の許可証の写し(船員である技能実習生に係る実習監理を行う場合)
  • 直近2事業年度の貸借対照表の写し
  • 直近2事業年度の損益計算書又は収支計算書の写し
  • 直近2事業年度の法人税の確定申告書の写し
  • 直近2事業年度の法人税の納税証明書 (納税証明書「その2」)
  • 預金残高証明書等の現金・預金の額を証する書類
  • 監理事業所の土地・建物に係る不動産登記事項証明書
  • 監理事業所の不動産賃貸借契約書の写し
  • 個人情報の適正管理及び秘密の保持に関する規程の写し
  • 監理団体の組織体系図
  • 監理団体の業務の運営に係る規程の写し
  • 申請者の誓約書
  • 役員の住民票の写し
  • 役員の履歴書
  • 監理責任者の住民票の写し
  • 監理責任者の履歴書
  • 監理責任者講習の受講証明書の写し
  • 監理責任者の就任承諾書及び誓約書の写し
  • 監理責任者の社会保険・労働保険の加入状況を証する書類(健康保険等の被保険者証などの写し)
  • 外部監査人の概要書
  • 外部監査人講習の受講証明書の写し
  • 外部監査人の就任承諾書及び誓約書の写し
  • 指定外部役員の就任承諾書及び誓約書の写し
  • 外国の送出機関の概要書
  • 外国政府発行の外国政府認定送出機関の認定証の写し
  • 監理団体と外国の送出機関との団体監理型技能実習の申込みの取次ぎに関する契約書の写し
  • 外国の送出機関の登記や登録がされていることを証する書類(外国政府認定送出機関の場合には提出不要)
  • 送出国の技能実習制度関係法令を明らかにする書類 (外国政府認定送出機関の場合には提出不要)
  • 外国の送出機関が送出国の技能実習制度関係法令に従って技能実習に関する事業を適法に行う能力を有する書類(外国政府認定送出機関の場合には提出不要)
  • 外国の送出機関の誓約書(外国政府認定送出機関の場合には提出不要)
  • 外国の送出機関の推薦状(外国政府認定送出機関の場合には提出不要)
  • 外国の送出機関が徴収する費用明細書(外国政府認定送出機関の場合には提出不要)
  • 技能実習計画作成指導者の履歴書
  • 優良要件適合申告書(一般監理事業の許可を受けようとする場合に提出が必要)

参照:監理団体許可関係申請に係る提出書類一覧・確認表

技能実習計画の認定について

技能実習を行わせようとする者(実習実施者)は、技能実習計画を作成し、その技能実習計画が適当である旨の認定を受ける必要があります。技能実習計画の認定は、外国人技能実習機構が行います。
技能実習計画に記載しなければならない事項や申請の際の添付書類は、技能実習法及びその関係法令で規定されています。
技能実習計画は、技能実習生ごとに、第1号、第2号、第3号のそれぞれの区分に応じて、認定を受けなければなりません。特に第3号技能実習計画については、実習実施者が、「技能等の修得等をさせる能力につき高い水準を満たすものとして主務省令で定める基準に適合していること」が必要です。
なお、団体監理型の場合、実習実施者は技能実習計画の作成にあたり、実習監理を受ける監理団体の指導を受ける必要があります。
実習実施者は、認定を受けた技能実習計画に従って技能実習を行わせなければなりません。仮に違反があった場合には、改善命令や認定の取消しの対象になります。実習実施計画の認定には、2カ月程度を要し、作成の期間などを考えれば3か月弱程度は必要です。

参照:様式等ダウンロード

参照:技能実習計画認定申請に係る提出書類一覧・確認表(団体監理型)

参照:技能実習計画認定申請に係る提出書類一覧・確認表(企業単独型)

実習実施者の届出

実習実施者は、初めて技能実習生を受入れて実際に技能実習を行わせた際には、遅滞なく外国人技能実習機構の地方事務所・支所の認定課に対し実習実施者の届出をしなければなりません。

帳簿書類の作成と保管

実習実施者は、以下の帳簿書類を作成し、技能実習を行わせた事業所に備え付けておかなければなりません。
保管期間は、帳簿書類のもととなる技能実習の終了日から1年間(1号・2号分を帰国後1年間)となっております。
・技能実習生の管理簿(技能実習生の名簿、履歴書、雇用契約書・条件書、賃金台帳・出勤簿等の待遇に係る記載がされた書類)
・計画認定の履行状況に係る管理簿(フォーマット有)
・技能実習生に従業させた業務及び技能実習生に対する指導の内容を記録した日誌(技能実習日誌)
・その他特定の職種の場合、法務大臣及び厚生労働大臣が告示で定める書類

参照:技能実習実施者届出時の注意事項

参照:外国人技能実習生の実習実施者に対する 監督指導、送検等の状況(平成29年)

技能実習責任者、技能実習指導員、生活指導員の選任

◯技能実習責任者とは

・技能実習指導員、生活指導員等を監督できる立場
・過去3年以内に技能実習責任者養成講習を修了
・常勤の役職員
技能実習指導員、生活指導員その他の技能実習に関与する職員の監督を担います。技能実習の進捗状況の管理はもとより、以下の事項に関する統括管理を求められます。
(1) 技能実習計画の作成
(2) 技能実習生が修得等をした技能等の評価
(3) 法務大臣及び厚生労働大臣若しくは機構又は監理団体に対する届出、報告、通知その他の手続
(4) 帳簿書類の作成・保管、実施状況報告書の作成
(5) 技能実習生の受入れの準備
(6) 監理団体との連絡調整
(7) 技能実習生の保護
(8) 技能実習生の労働条件、産業安全及び労働衛生
(9) 国及び地方公共団体の関係機関、機構その他関係機関との連絡調整

◯技能実習指導員とは

・受入れ事業所の常勤職員
・実習職種について、5年以上の経験者
技能実習計画に沿った技能実習の指導を担います。毎日の技能実習日誌の記入をし、技能実習の目標の達成状況を公正に確認することが求められます。実習職種や環境ごとに1名以上必要です。

◯生活指導員とは

・受入れ事業所の常勤職員
技能実習そのものを除く実習生の生活面の管理・指導を担います。技能実習生の生活状況を把握し、技能実習生からの相談に乗るなど技能実習生が技能実習に専念できる環境づくりを行うことが求められます。

外国人技能実習制度の養成講習について

技能実習法に基づく養成講習とは

技能実習法(2017年11月1日施行)では、①監理団体において監理事業を行う事業所ごとに選任することとなっている『監理責任者』、②監理団体が監理事業を適切に運営するために設置することとなっている『指定外部役員』又は『外部監査人』、③実習実施者において技能実習を行わせる事業所ごとに選任することとなっている『技能実習責任者』について、いずれも3年ごとに、主務大臣が適当と認めて告示した講習機関(以下「養成講習機関」)によって実施される講習(以下「養成講習」)を受講しなければならないと定められています。
また、監理団体の『監理責任者以外の監査を担当する職員』や、実習実施者における『技能実習指導員』及び『生活指導員』については、養成講習の受講は義務ではありませんが、これらの者に対し3年ごとに養成講習を受講させることが、優良な監理団体又は優良な実習実施者と判断する要件の1つとなっており、受講が推奨されています。

養成講習の種類、講義内容

養成講習の種類は、受講対象者別に、①監理責任者等講習、②技能実習責任者講習、③技能実習指導員講習、④生活指導員講習の4種類に区分されます。

理解度テスト及び受講証明書について

すべての養成講習の最後に「理解度テスト」が実施されます。2018年度までは養成講習受講に係る経過措置期間との位置付けから、点数に関わらず、受講証明書が交付されてきましたが、2019年4月1日からは以下のとおり講習ごとに合格点が設けられる取扱いに変更されます。
① 監理責任者等講習 80点
② 技能実習責任者講習 70点
③ 技能実習指導員講習 70点
④ 生活指導員講習 70点
合格点に満たない場合、受講証明書は交付されず、別の日に改めて再受講の上、合格点以上を取得する必要があります。

「受講証明書」は、『監理責任者』、『指定外部役員』、『外部監査人』、『技能実習責任者』については3年ごとの受講義務の履行の証しとなり(※1)、監理団体の『監理責任者以外の監査を担当する職員』、実習実施者の『技能実習指導員』、『生活指導員』については優良要件の適合性の証しとなります(※2)。
※1
監理団体許可の申請書類に、監理責任者や外部役員・外部監査人の「受講証明書」の写しを添付する必要があります。ただし、養成講習の実施体制の整備に時間を要するため、2020年3月末までは、養成講習を受講しなくとも、監理責任者、指定外部役員もしくは外部監査人、技能実習責任者となることが可能となっています。
※2
監理団体における監理責任者以外の監査を担当する職員、実習実施者における技能実習指導員、生活指導員の養成講習受講に関しては、2019年4月1日以降、優良な監理団体及び優良な実習実施者の要件における加点対象となります。(2019年4月1日以前に養成講習を受講修了した場合、受講実績として有効ですが、加点は2019年4月1日以降となります。)

参照:外国人技能実習制度における養成講習について(厚生労働省)

「優良」な実習実施者・監理団体について

実習実施者が第3号技能実習を行うには、外国人技能実習機構への技能実習計画の認定申請の際に「優良要件適合申告書(実習実施者)」を提出し、技能等の修得等をさせる能力につき高い水準を満たすものとして主務省令で定める基準に適合している実習実施者として、外国人技能実習機構から優良認定を受ける必要があります。
また、監理団体が第3号技能実習の実習監理を行うには、外国人技能実習機構への監理団体の許可申請の際に「優良要件適合申告書(監理団体)」を提出し、技能実習の実施状況の監査その他の業務を遂行する能力につき高い水準を満たす監理団体として、主務大臣から「一般監理事業」の区分での団体許可を受ける必要があります。
*
「優良要件適合申告書」における合計得点が満点の6割以上であれば、優良な実習実施者・監理団体の基準に適合することになります。
*
団体監理型で第3号技能実習を行う場合は、監理団体と実習実施者が共に上記「優良」である必要があります。

 

参照:監理団体の許可申請手続

参照:監理団体の許可 

面談予約・お問い合わせ

 

関連記事一覧

PAGE TOP